英語の発音の話 PART2

ピカデリーサーカス

今日はアクセントの話です。

イギリスで暮らし始めて、1ヶ月位の頃でしょうか。
ロンドン中心部にピカデリーサーカスという場所、地下鉄の駅があります。そこに行くための切符を買うことが何回もありましたが、大体、聞き返されます。辞書もチェックしてみますが、いまひとつ、よくわかりません。

あるとき、知り合いになった英国紳士に聞きました。なんでも、その方は、マスコミ関係の方で、ロンドンのことは何でも知っているというようなことを、ほのめかしていました。

「「Piccadilly Circus」って通用しないのですよ。なにが悪いのでしょう。」
「それは、簡単。発音ではないです。アクセント」
「はあ」
「「Picca」は付け足し、「dilly」と強く言えばいいのです。」
「あー、はい」
辞書を見れば、アクセントは確かに後ろの方にありますが、そんなに強く言う必要があるという認識はありませんでした。日本ではこの「ピカデリー」というのは、映画館の名前で「○○ピカデリー」などと使われます。その場合、アクセントは普通、最初、ピカ にあります。その言い方の影響を受けて、後半のアクセントが、実際には徹底されていなかったのでしょう。

彼は、さらに興味深いことを言い出します。
「ロンドン中の地名でdilly と名のつく地名は他にありません。dilly だけ聞こえても、Piccadilly 以外にあり得ないので、他の地名と混同しません。dilly を思い切り強調すればいいのです。」

へー本当?という感じです。そう言えば、ロンドンの地図見ても、他に何とかデリーと言うのはお目にかかったような気はしません。
それ以後、私は、インドのデリーではありませんが、「デリー」「デリー」としっかり頭に入れて、ピカ国の「デリー」という感じで、切符売り場で自信を持って言うようにしました。「ピカ リー」と。
結果は、100%通じています。それ以後、聞き返されることはありません。駅でも、タクシーでも。
絶大な効果でした。


教訓です。3音節以上のワードは、必ずアクセントをチェックすること、2音節位ですとなんとかごまかせますが、3音節以上になると通じなくなる可能性が高いです。

私の所属している国土交通省、英語名称 Ministry of Land, Infrastructure and Transport、ここで、Infrastructure ですが、日本語で略して、「インフラ」といいます。その際のアクセントは後ろ、「フラ」にあります。「イン」を強く言う人はおりません。英語では逆です。in にアクセントがあります。原則通りです。これもチェックせずに発音して、一度通じなかったことあります。
一方で、infrastructure と同じ4音節のワード、同じ in からはじまる、information 、このアクセントは、後半、mation のmaにあります。

英語の難しさです。覚えるしかありません。慣れるしかありません。

以上、アクセントの重要性のお話でした。