後志?ごし?あとし?

「しりべし」と読むのです。アイヌ語に由来しています。北海道の地名はほとんどがアイヌ語に由来しています。
それを漢字で当てたので、地名の漢字の意味は何だろうかなどと考えるのは、ほとんど意味がありません。
ちなみに、この「しりべし」の由来は北海道後志支庁のHPに載っておりますし、また、アイヌ語の地名各般に渉っては、佐藤和美さんのHPに詳細な記述があります。

問題は、「後志」と書いて、「しりべし」と読める人が北海道以外の住民でどのくらいいるかということです。さらには、「後志」と言われて、地域のイメージが沸く人がどのくらいいるでしょうか。実は、「後志」は、ニセコ、積丹、小樽などの地域を包含するとても素敵なところなのですが、読みにくい名前が故に、全国的に地域イメージが浸透していないのは大変残念なことです。わたしも小樽に赴任するまで、「しりべし」と読めませんでした。小樽の観光カリスマ小川原さんの関係する「しりべしiネット」がその名称に漢字を使っていないのも、むべなるかなです。

「後志」は、行政組織北海道の支庁名に使われているように、今では広域的な地域の名称として用いられています。ニセコ、小樽、積丹などのように現存する具体的な地名や市町村名ではありません。いわゆる観光ガイドブックの類にも全国ベースのものにはほとんど載っておりません。小樽に住みなれてしまうと「後志」といわれても、何ら違和感がなくなってきて、他人様にはこの地名は理解されていないという認識が希薄になりがちです。

「後志」地方の今後の発展、とりわけ観光振興を進めていくために、この地名とその地域イメージをどのようにアピールしていくかということは大変重要な課題と思われます。